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もともと桃農家でない人々の集まりから
始まった挑戦

もともと桃農家でない人々の集まりから
始まった挑戦

八旗農園
高平 昌英さん
中浴 泉
Takahira Masahide
Nakasako Izumi

経営理念である「八旗農園は四百年の歴史を持つあら川の桃の伝統農業を継承・発展しつつ、豊かな自然環境に恵まれた紀の川流域の豊富な農産物を生かした事業を展開する」をもとに、新しい形の桃栽培や六次産業化にまい進中。昨年始まった大阪の銭湯復活プロジェクトでは、八旗農園がはっさくの果皮を提供。「はっさくの湯」イベントとして今年は2年目を迎え、さらに規模を拡大予定。

桃の木に電気針を打ったり、背が高くならない栽培方法を取り入れたり、常に新しい取組みにチャレンジしている株式会社八旗農園。直売だけではない、ジュース、ゼリー、ピューレといった果物の六次産業化で、さらに飛躍を目指す。

八旗農園が法人化して9年。

高平さん、中浴さんを中心に八旗農園が法人化して9年。
2人はもともと農家ではなく、異業種からの農業参入であったため、一年間安定して仕事ができるような環境を作ろうと考えていた。高平さんは東京で保険関係、中浴さんは県内で建設関係からの転職だった。「貸して頂いた老木の畑で、見よう見まねで教えてもらいながら桃づくりをスタートしました。家族もいたので、生活できるか不安ばかりでしたね(笑)」と高平さん。

桃栽培では、全国初という「ニードル農法」や「盛土式根圏制御栽培」を取り入れるなど、常に新しい取組みにアンテナを張っている。
ニードル農法とは、専用の機器によって植物のツボ(高電位箇所)を特定し、ツボに対して特殊ネジを打ち込み、太陽光発電を利用した微弱な電気刺激を与えることで、植物内の様々な細胞を活性化させ、果実品質の向上や成長促進を促す技術である。人体のツボに針を打つ針灸術に似ているため、別名「電子植栽針灸術」とも呼ばれる。桃に電気針を打つというものだ。
盛土式根圏制御栽培とは、地面に遮根シートを敷き、その上に培土を盛って樹を育成する技術であり、早期成園化・軽労化・果実糖度の向上などが期待できる栽培方法である。

4年前の台風がすべての価値観を変えた

農業で雇用を繋ぎとめるためには、収穫期以外の収入を作ることが必要だ。年間を通して仕事を作ることも意識し、早くから六次産業化に取り組み、規格外品でジュース加工等をしていた。
そんな折、9年前に始まった箕面ビールさんとの取引をきっかけに、加工場建設と法人化に着手。加工品の桃ピューレをクラフトビール用に最初は1タンク(2,000リットル)からスタートし、現在は14タンク分を納品している。いかりスーパーマーケット、スープストックトーキョー、カネカ食品と果実加工物の取引先も全国に増えていき、六次産業化は仕事風景を変えていく。

さらに中浴さんが転機として挙げたのが自然災害。「4年前(2017年)の台風で、紀の川市桃山町も大きな被害に遭いました。これからはもっと『あら川の桃』の伝統を守りながら、単価を上げていく努力が必要だと感じました」

1年間通して雇用すること。
仲間を繋ぎとめるために私たちは知恵を絞る

桃は元来傷みやすい果実で、衝撃にも弱くすぐに変色する。これまで商品価値を失った桃たちは、あら川の桃として味は良いのに、タダ同然で売られるか、捨てられるかだった。
その規格外の桃を、魅力のある商品に変え、桃の価値を上げ、仕事を作り、雇用を生む。
八旗農園が目指したものが、そこにあり、個人農家が、加工事業をもとに法人化し、人を繋ぎとめる。

桃にとどまらず、キウイフルーツ、ブルーベリーと六次産業化は進み、次に目指すは滞在型観光農園。2年後(2024年)を目標に現在の直売所の隣に「ブルーベリー観光農園」を開園する計画が進行中。農業を通して、紀の川市桃山町への集客を図る。収穫体験、産直市場、カフェレストランと公園が一体化した新たな施設をここ、紀の川市桃山町に作りたい。

農業にスポットが当たるような時代にならないと、作り手はどんどん減っていく。
ブランド桃「あら川の桃」の生産地である紀の川市桃山町を中心に「フルーツ王国紀の川市」を守りたい。そんな思いをもった二人が育てた八旗農園は、今後も「フルーツ王国紀の川市」を支えていく柱になる。

八旗農園青果直売所
紀の川市桃山町最上640-1
桃のシーズンである6月~8月の間は、こちらの直売所で販売している。

取材:2022年1月12日