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来の住人集まれ!
地域おこしから始まる新しい生活

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地域おこしから始まる新しい生活

青柳 沙恵 Aoyagi Sae

紀の川市地域おこし協力隊。千葉県出身、28歳。紀の川市の桃やイチジク、ハッサクを食べて、その美味しさに衝撃を受ける。紀の川市の果物を食べてから、千葉に帰省の際は果物を食べなくなったとか。

千葉県から紀の川市に地域おこし協力隊としてやって来た青柳さん。2022年3月に「粉河アートウォーク」を開催し、地域の人々をアートで結びつける。地元の中学校や高等学校、文化協会が交流する画期的なイベントだ。

海外滞在で自分の中の行動の扉が開いたような気がした

青柳さんが地域づくりに興味をもったのは、25歳の頃。
それまで海外はもちろん、地元地域にも興味を持ったことのない学生だった。
大学院生のときに申し込んだ独立行政法人国際交流基金の日本語パートナーズ事業。
大学院を休学し、日本語パートナーズとして6ヵ月インドネシアに滞在した。
日本と違った東南アジアの人々の熱気、若さのパワー、(自国の)文化を大事にする姿勢などを目の当たりにし、自分の中の行動の扉が開いたような気がした。

特に寛容さを大事にするアジアの気質に心が惹かれた。
宗教観が薄い日本では「何となく仏教」という感じだが、彼らは宗教に熱い。
「仏教もよく似た宗教だ」と異国の私を寛容に迎え入れ、いつも気にかけてくれる。
ちょっとした家族の用事で仕事を休むことも素敵な習慣だと思った。
家族愛や人類愛の尊さを知った。

帰国後千葉県に戻り、大学院を卒業した後、アルバイトをしていたアパレル会社にそのまま就職した。それぞれの民族文化を大切にするエスニックファッションの会社で、とても居心地がよかったが、自分がやりたいことではないような気がした。
そんな時、紀の川市が地域おこし協力隊を募集していることを知り、応募した結果、見事合格。初めて来た和歌山県で、面接試験の直前に訪れた粉河寺前のお茶屋さんは、今住んでいる住宅の大家さんだ。
東南アジアで培った行動力と持ち前の明るさで、あっという間に知り合いが増えていった。

地域おこし協力隊としての仕事とアイデア

地域おこし協力隊としては、紀の川市の空き家の現地調査が主な仕事だ。
問合せのあった空き家を回り、空き家バンクに登録して、貸主と借主をマッチングする。
空き家に接し、不動産に関する使命感に燃えて、宅建試験にもチャレンジし、約5か月間の猛勉強の末、合格。
「割とひとつのことしか見えなくなるタイプなんです」と笑う青柳さん。

住んでみた紀の川市の印象は、空が広く山に囲まれてのどかだと思った反面、紀の川市粉河地区の中心部であるとんまか通りは深々と寂しい空気が流れていた。
そのとんまか通りを中心に「粉河アートウォーク」を企画し、地域おこしをしたいと考えるようになった。
全国のアートイベントを回ることが趣味だった事で思いついたが、一人ではできない。NPO法人紀州粉河まちづくり塾や紀の川市地域創生課の皆さんの協力のもと、ついに開催にこぎつけた。ひとつのことしか見えなくなる病の発動だ。粉河中学校、粉河高等学校、文化協会粉河支部、りら創造芸術高等学校が作品を出展してくれることになった。

青柳さんの活動はとどまることを知らない。
地域の人の憩いの場を作りたいとの想いで開店した「喫茶つな」は、月2~3回の不定期開店であるが、地域の人々は元より、意外に若い方も遊びに来てくれるのがうれしい。開店していることが珍しいので「幻の喫茶店」と常連さんに言われる。
店名の「つな」は、自身のマグロ好きからの「ツナ」と地域のつながりの「つな」から命名した。ドリンクを飲みながら紀の川市を語り合える場所の提供、これが新たな使命に感じた。
今や旦那さんも千葉県から和歌山県にやってきて働いている。
青柳さんのIターン人生は、紀の川市で続いていく。

粉河アートウォーク

開催日 2022年3月5日(土)・6日(日)
展示テーマは「粉河の魅力」で、コンセプトは「粉河の昔と今と未来を感じる」。粉河のまちなかの古民家や施設、神社などでアートを展示し、地図を見ながら歩いて回ってもらうことで参加者自らに粉河の魅力を見つけてもらう。コロナ禍で県外へのアプローチはできないが、続けていき、移住定住のきっかけになればとの想いがある。

アート掲示場所
・粉河産土神社
・気にせんと
・とんまかスクエア
・元リビング三宅
・旧南丘邸離れ

取材:2022年2月18日