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龍に捧げる巨大にぎり飯
「大國主神社~国主淵と龍~」
猫に招かれて降りたった先には…

龍に捧げる巨大にぎり飯
「大國主神社~国主淵と龍~」
猫に招かれて降りたった先には…

猫の駅長で知られる貴志駅。
そこから南へ歩いて10分ぐらいのところに地元では、「おくにっさん」と呼ばれている大國主神社があります。

少し足をのばして、散策してみませんか?

駅から坂道を下って歩いていると大きな川が見えてきます。
「貴志川」です。
この貴志川にかかる「諸井橋」を渡らず、手前に走る細い道を上っていきます。

貴志川沿いに続く参道は、春になると桜並木がとても見事です。
木々に囲まれたとても静かな場所へと向かいます。

社務所が見えてきました。

一歩、足を踏み入れると広々とした境内が目の前に飛び込んできます。

江戸中期に神事や祭礼に使われていた高床式舞台造りの神楽殿が珍しく、目を引きます。

10年に1度の奇祭

社務所に飾ってある1枚の写真。 
「大飯盛物祭」 
なんと読むでしょう?

昔々、近くを流れる貴志川の最も深い国主淵(くにしぶち)という池に龍が住んでいました。
たびたび人を殺すので、村人は毎年娘を一人、生け贄として捧げていました。
のちに社を建てて娘の代わりに大飯を奉納したのが、この「大飯盛物祭」の始まりだと言われています。

(答え:おいもりのまつり)

この奇妙な形のお神輿のようなものが、龍に捧げる大飯だそうです。
この大飯、高さ5m(だいたいキリンぐらい)、幅は3m(およそ畳1畳分)ほどの大きさ。
電球のような形を竹軸で編み、竹串に刺した餅を約6000個、全面につり下げて大きなにぎり飯に見立てているのだとか。
これを台車にのせて、貴志川町内から大國主神社までを「盛物節の歌」を歌いながら練り歩くそうです。

まさに奇祭!

日数と費用がかかるため、毎年は行われず、10年に1度の頻度で行われているそうです。
最後に行われたのが2016年。
チャンスがあれば一度お目にかかりたいお祭りです。
貴志川線にあるガチャガチャに大飯盛物祭のキーホルダーがあるそうです。
気になる方はお土産に回してみてはいかがでしょう?

龍の住む国主淵へ

龍の話を知ると、参拝後に「国主淵」を訪れずにはいられなくなるでしょう。
来た道を戻り、諸井橋を渡ります。
河川敷に降りると国主淵が見えてきます。

龍の肌のような色をした深緑色の水。
透明な川の水から見える岩肌が、龍の鱗のようにも見えます。

「確かにここには、龍が住んでいる」
そう思えるような神聖な空気が漂っています。

ここは、かつて名勝と知られる行楽地で、周辺には、「烏帽子(えぼし)岩」「鞍懸(くらかけ)岩」「天狗岩」「龍宮岩」などの名前がついた大岩があり、境内に展示されていた「屋形船」による遊覧も行われていたそうです。

現在は、近隣に「きしべの里公園 ほたるの館」があり、ゲンジボタルの飼育を行っています。
毎年、6月にはホタルの観賞会もやっていますよ。
この国主淵には、他にも龍にまつわる民話があり(「国主淵の生き面」)ファンタジーな世界が眠っています。
にぎり飯を頬張りながら、想像する。
火曜サスペンス劇場「きのかわ市民クリエイター事件簿〜国主淵に眠る龍〜」
2時間サスペンスでありそうな題材に勝手な妄想が止まらない。

紀の川市にはまだまだ面白い伝説が国主淵の龍のように眠っていそうです。

【住所】和歌山県紀の川市貴志川町国主1
【駐車場】あり
【アクセス】わかやま電鉄貴志川線 貴志川駅徒から歩10分

この記事を書いた人

かわいちゃん

元京都人。結婚を機に紀の川市へ移住。未だペーパードライバー。世を忍ぶ仮の姿での職業は、調理師。好きな和歌山弁は、「今日は(きょうわは)」。
日々、おもしゃいことを求めて生息中。