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ここがナンバーワン。
世界をめぐり行き着いた場所。

ここがナンバーワン。
世界をめぐり行き着いた場所。
石渡康太 さん
石渡祥子
Ishiwata kota
Ishiwata sachiko
紀の川市民歴1年
東京都出身の康太さん(44)と兵庫県(西宮市)出身の祥子さん(45)。公務員として働いていた2人は名古屋で出会い結婚、10年間東京で暮らす。康太さんは東京でしていたコンサルタントの仕事を在宅ワークで引き継ぎ、並行して介護職を開始。そして農産物の直売所「おいけのまど」を運営している。祥子さんはキャリアコンサルタント。今はわかやま移住定住支援センター大阪窓口に勤務し、和歌山への移住や就職を目指す方を強力にバックアップしてくれている。2人とも海外旅行が好きで、東南アジアのバリ島には毎年行くほど。
静かな田園地帯を抜けた先に見えてくる大池遊園。桜の名所として有名なだけでなくボートや自然散策も楽しめる憩いの場だ。最寄駅の大池遊園駅のすぐ隣にある古民家では、こだわりの果物や野菜の直売と、人と自然が触れ合える体験イベントが開催されている。
今回は「おいけのまど」を運営されている石渡さんご夫婦のもとを訪ねた。
目次
紀の川市の第一印象とカフェKuraさんとの出会い
石渡さんご夫婦が東京から和歌山に移り住んだのは6年前。
紀の川市の自然と街が共存する風景に魅力を感じ移住も考えていたが、当時は賃貸物件の情報が少なく探すことが困難だったため、和歌山での最初の暮らしは和歌山市だった。

もともと、移住を考えるほど海外旅行が大好きで、中でもバリがお気に入り。
自然豊かな環境とフレンドリーな地元の人々に惹かれ、長期滞在するなどよく訪れていたそう。現地採用の仕事も探していたが、両親のことも考えて日本国内での移住を計画しはじめる。
東京には47都道府県の移住相談ができる窓口があり、まずはそこを訪れた。
相談前は広島などの瀬戸内エリアに惹かれていたが、そこで提案されたのが和歌山。関西出身の祥子さんも名前は知っているが、具体的にどういう場所かというイメージが浮かばない。「白浜?」「パンダ?」「高野山?」
まずは行ってみようと、2泊3日の旅行を計画して出かけた。
初めて訪れた和歌山のまち。
康太さんは、紀の川市の大自然と街並みが共存する風景を見て、海外移住をしなくてもこの町で十分満足できそう!と直感的に思ったそう。
住む人のフレンドリーさにも惹かれた。
旅の宿として選んでいた農家民泊のオーナーさんに移住のことを話すと、「ぜひ来てよ!」と間髪入れずに返ってくる。紀の川市役所では役所の方の丁寧すぎる応対に感激した。
中でも、市役所の帰りにたまたま立ち寄ったカフェKuraさんとの出会いが大きかった、と笑顔で語る祥子さん。交流は出会いから現在も続き、かけがえのない人、場所になっている。

親子で営むカフェKuraさん。調理師の母、倉橋京子さんと、栄養士の娘、麻弥さんが、地場産の食材をふんだんに使い、毎日違うメニューでおいしいランチを提供している。
初めて訪れた時から、住居の相談や移住のことなど、まるで長年知り合いだった様に親身になって話してくれた。
今では一緒に旅行を考えたり、カフェの料理に育てた野菜を提供するほど、親しくなったそう。
京子さんはとにかく紀の川市が好き。
自然豊かだけどそれなりに便利、こんないい場所は他にはないと語る。「若い子がもっと地元に帰ってきてくれたら嬉しい」。以前カフェに来てくれたファミリーのお子さんが大人になり、再び訪ねてくれたことを嬉しそうに話していた。そんな言葉の端々に、紀の川市への愛がにじみ出る。
「いずれはこんな暮らしがしたい」。初めて訪れた時に抱いたおぼろげだった思いが、時間が経つにつれ強い想いとなり、ついに和歌山への移住を決断する。
カフェKura
【住所】紀の川市東国分407-8
【電話】0736-60-5200
【営業時間】9~15時
【定休日】水曜日、第2・4木曜日
【Googleマップ】https://maps.app.goo.gl/xNDnyApf5XpNhX6D9

移住による暮らしの変化

和歌山市での暮らしを経て、2024年6月に念願だった紀の川Lifeがスタート。
移住をはじめて特に「嬉しかったこと」は、外から来た自分たちに対して快く接してくれる、地元の人の温かさだったそう。
そのことを印象づけた出来事は祥子さんの出勤中のワンシーン。車で沿道を走っていた時、向かいから見覚えのあるトラックが。

運転席には「お!」と笑顔で大きく手を振る馴染みある姿、紀の川雑草レモン農園の西川さんだ。東京で、ぎゅうぎゅうに人が詰め込まれた満員電車や、足早に人々が交差していく駅のホームを経験してきた祥子さんにとって、この光景は1日幸せな気持ちで過ごせるほど嬉しかったそう。
一方で、「気になったこと」は紀の川市への外部からの人の出入りが想像以上に少なかったこと。何か面白い活動で地域を盛り上げられないか、国内外問わず旅行してきた康太さんは考えはじめたと言う。
西川さんをはじめ紀の川市の人々の温かい歓迎を受ける中で、いつしか石渡さんご夫婦も人を迎える側として、地域の人も、初めて紀の川市へ来た人も一緒に楽しんでもらえる場所を作りたいという思いが募っていった。
自然と、人と、交流を楽しむ直売所「おいけのまど」

ある日、石渡さんご夫婦のもとに紀の川市役所開催のセミナー、インバウンド※外国の人が旅行で日本に来ることを利用した地域おこしについて話し合う会の紹介がきた。
そこで出会った同じく地域を盛り上げたい同年代の参加者たちと意気投合し、みんなで拠点となる場所を作り、そこで面白い活動をやってみようと話が進んで行ったという。
まず、施設づくりがスタート。メンバーの1人が所有していた農業用資材の倉庫が、木工作家さんの手を借り、木のぬくもりを活かした憩いの場「おいけのまど」へと生まれ変わった。


紀の川市で豊富に採れる食物を利用した野菜の直売所、ピザ焼き体験のイベントなど。「おいけのまど」の1番の魅力は、自然と触れ合いながら人との交流も楽しめるところだ。もっと農業に近いことをやってみたい人にはオーナー制度がおすすめで、梅や原木椎茸などの食物の木を買い取ると、その木に育った分は好きな時に収穫して新鮮なうちに食べることができるシステム。剪定などはできなくても大丈夫、作業がある時のみ声かけがあるそうだ。

康太さんは「おいけのまど」を通して人の輪の広がりを実感する中で、今の暮らしの良さや紀の川産のいいものをもっと県外へ、欲を言えば海外にまでも伝えていきたいと話す。
迎えられる側から今度は人を迎える側へ。ネットショッピングやマルシェへの出店など、活動の幅を広げながら外からも気軽に紀の川市のことを知れる機会を提供中だ。

移住を考えている人へ

移住に向いているのはどんな人なのか、普段、和歌山県への移住相談も受けている祥子さんに聞いてみると「人と関わるのが好きな人、関わりを増やしてみたい人」だそう。人との関わりを避けたくて田舎への移住を考えて相談に来る人もいるが、地方の魅力は人との繋がりを通して、自分の縁のなかった分野にどんどん挑戦できることだと話す。
また、田舎での生活は自然に囲まれてのどかなイメージを持たれがちだが、不便なことも沢山ある。不便であればあるほど必要になってくるのが人との協力であり、これがないと乗り切れない、楽しめないと康太さんは語る。

「東京に住んでいた時は旅行から帰って空港に着いた時、『ああ、終わってしまった…』と少しため息の出る感覚があったけれど、今は旅行に行っている時も楽しいし、帰ってきてからも楽しい。自然のエネルギーが感じられることもあるだろうけれど、受け入れてくださる人々の温かさがあるから、次の日からも楽しいなって思えるんだと思います。」
海外も含め、色んなところへ行ったけれど紀の川市が一番だと話す康太さん。温かく迎え入れてくれた紀の川市の方への思いを胸に、石渡さんご夫婦は「おいけのまど」から、人と人とのつながりを紡ぎ続けてゆく。
おいけのまど
【住所】和歌山県紀の川市貴志川町長山1282-3
【営業日】土日
【営業時間】
10:00~ 15:00
【Googleマップ】https://maps.app.goo.gl/wFpvsFC6sQptw9tV7
【WEBサイト】
https://oikenomado.jp/

教えて!センパイ!

紀の川市のおすすめの場所はどこぷる?

月に1回は訪れているカフェKuraさんです!美味しいランチが大人気なお店ですが、初めてきた移住者さんに是非立ち寄っていただきたいです。お店の倉橋京子さんと麻弥さんは地域事情にとっても詳しくて、私たちが初めてきた時も親身になって話を聞いてくださりました。

紀の川市を一言で表すとなにぷる?

「世界ナンバーワン」ですね。色んな都市に滞在してみてどの土地にもそれぞれ魅力があったけど、紀の川市は住んでる人が本当に優しいし、フルーツも一年中美味しい。都会も空港も近くて全てにおいて満足感が高いところです。ここを超えるところはもう一生現れないと思います。
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移住を決意
都会の喧騒から離れたいという思いから。旅行が好きで海外移住も考えていたが両親のことも考え国内で探し始める。
移住先の決定
東京都内の47都道府県の移住相談ができる窓口で和歌山を紹介され見学へ。紀の川市民の人柄に惹かれ移住を決意するが良い物件がなかったためひとまず和歌山市に移住。
仕事の引き継ぎ
康太さんは東京の仕事を在宅ワークで引き継ぎ。祥子さんはキャリアコンサルタントの資格を活かして和歌山県の移住の相談員と転職相談をする就職支援センターで働き始める。
紀の川市へ
和歌山市の賃貸物件の契約更新のタイミングで念願の紀の川市へ移住。
この記事を書いた人

今回は、東京から和歌山、紀の川市へと移住された石渡さんご夫婦。旅が好きでさまざまな土地を訪れる中、和歌山の温かい人々や自然に惹かれ移住を決意されたそう。移住後は農産物直売所「おいけのまど」を運営されるなど、地域住民の方々とのつながりを深め、市内外へと広げてらっしゃいます。世界を旅した石渡さんご夫婦が「世界ナンバーワン」と称してくださる紀の川市の魅力を、もっともっと発信していただきたい。