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思い出の詰まった祖父母の家から、
こだわりベーグルを届けたい。

思い出の詰まった祖父母の家から、
こだわりベーグルを届けたい。
(画像左から)
尾東香菜 さん
尾東律子
Ohigashi Kana
Ohigashi Ritsuko
紀の川市民歴32年
生まれも育ちも紀の川市の32歳。2024年5月に鞆渕にある祖父母の家を引き継いだ「コーヒーとベーグルのおみせ Sarusuberi(さるすべり)」をオープン。お手頃なのに満足感たっぷりのベーグルを販売している。
香菜さんの母、律子さん。時間のある日に娘の香菜さんのお店のお手伝いに来ているそう。
四方を山に囲まれた鞆渕地区の山道を抜けた先に、可愛らしい木目調の看板が見えてくる。
2024年5月、この紀の川市にオープンしたベーグル屋さん「Sarusuberi」だ。
店名の由来は祖父母が大切に手入れしてきた植栽の1つ「サルスベリ」から。7月下旬〜9月下旬にかけてピンクや白の美しい花を咲かせるらしい。
オーナーの香菜さんは製菓学校を卒業後、大阪府泉佐野市のパン屋で5年間勤めていたベテランだ。「この場所でおいしいベーグルを食べて心を癒してもらいたい。」そんな思いで日々パン作りに励んでいる。
目次
景色はそのままに、ここでしか味わえないひとときを

香菜さんは昔から、将来はパン屋かケーキ屋を開きたいと考えていた。
香菜さんが転職や今後を考えていたとき、母律子さんから「祖父母の家を引き継いでお店を開いてみるのはどうか」と後押しがあり、自分のパン屋をオープンすることを決意した。2年前に祖父が他界、現在のお店の家は空き家となっていたが、律子さんが2週間に一度風通しや掃除をして大切に管理していたため、ほとんど改装することなく、オープンすることができた。
また、イートインスペースにある椅子や机も、祖父母が暮らしていたときから使っていたものをそのまま利用している。


幼い頃から何度も訪れた大切な場所は、趣を変えることなくベーグル屋として生まれ変わった。律子さんの実家ということもあり、地元の方々から日々温かい言葉をかけてもらえることが何より嬉しいそう。
「この『Sarusuberi』で、たくさんの人に『美味しい!』と言ってもらえるベーグルを作っていきたい。」 そう香菜さんは語る。
もっちり食感と個性豊かな組み合わせ!
全種類試したくなるベーグル
仕込みから焼成まで、すべて香菜さんが1人で手掛けており、月ごとに新作のベーグルが登場する。珍しい牛すじカレー味や、近所の人からもらった柚子やブルーベリーを使用したものなど、思わず全種類試したくなる。

通常13〜14種類が並ぶそう

実際にイートインスペースで抹茶ベーグル(280円)とカフェオレをいただいた。
モッチモチの生地の中に甘いかのこ豆がたっぷり入っていて、ひとつでも十分すぎる満足感。
前日に売れ残ったベーグルを8〜9個まとめての販売もされていて、食品ロス削減にご協力いただける方や、いろんな種類を食べてみたいという方に好評をいただいているとのこと。

また、「できるだけいろんな種類を食べてもらいたい」という思いから、価格はなるべく低めに設定しているそう。ベーグルは冷凍保存が可能なので、少し多めに購入して、イートインスペースとテイクアウトの両方を楽しむのもおすすめだ。
この味と空間をもっと多くの人に
広がる「Sarusuberi」の挑戦

現在のお客さんの層は30代〜40代の主婦、高野山へのツーリスト、ドライブ中のファミリーと幅広い。テイクアウトの利用が多いが、香菜さんは「ぜひイートインスペースでゆっくりしていってほしい」と話していた。
お店の存在を広く知ってもらうため、オンライン販売やマルシェへの出店も視野に入れ、挑戦を続けている。祖父母との思い出の場所は景観をそのままに、香菜さんの新たなスタートの地となった。

昭和レトロを感じる空間と抜群のロケーションの中でいただくベーグルは格別だった。ゆったりとした時間の流れを感じることができ、まるで自身の祖父母の家を訪れたかの様な居心地の良さが、そこにはあった。
鞆渕の山あい、Sarusuberi(サルスベリ)の魅力に、あなたも出会いに行きませんか。
Sarusuberi
〒649-6571
和歌山県紀の川市上鞆渕1417
9:00〜17:00
定休日 火、水、木
Instagram https://www.instagram.com/sarusuberi_24/

取材:2025年1月20日