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駄菓子屋「カメレオン笑店」
森谷さんご一家の、移住と起業への道のり。

駄菓子屋「カメレオン笑店」
森谷さんご一家の、移住と起業への道のり。

森谷夕子  さん
森谷俊介 
Moritani Yuuko
Moritani Syunsuke

大阪府豊中市出身のイラストレーター、森谷夕子さんと、京都府舞鶴市出身の会社員、森谷俊介さん。ご夫婦は現在、2人のお子さんと愛犬とともに暮らしている。

家族みんながのびのび過ごせる暮らしを求め、2024年4月1日に大阪府和泉市から移住し、駄菓子屋「カメレオン笑店」を開店した。現在は徐々に活動の幅を広げ、紀の川市内のマルシェ・イベントなどにも出店している。

紀の川市役所を北に進んだ住宅街にある、駄菓子屋「カメレオン笑店」。
元は薬局だった小さな白い建物に入ると、昔なつかしい駄菓子や、カラフルな手づくりポップで囲まれた空間が広がっている。子どもたちはもちろん、昭和レトロが好きな大人も楽しめるお店だ。ここの店主である森谷夕子さんは約2年前、大阪に購入していたマンションを手放し、ご家族4人で紀の川市に移り住んだのち、この「カメレオン笑店」を開業した。
なぜ、マンションを手放してまで移住を決断したのか?そして、なぜ駄菓子屋を始めたのか?お話を伺いに、ご夫婦のもとを訪ねた。

移住のきっかけは家族のこと。「便利な都会」「のびのびとした田舎」どちらを取るか。

以前、森谷さんご一家は、大阪府和泉市の分譲マンションで暮らしていた。
都会へのアクセスも良好で、便利な暮らし。当時はここでずっと暮らすことになると思っていたという夕子さん。しかし、周囲への騒音を気にしながらの生活に、少しずつ違和感を抱くようになる。マンション生活では、家で子どもが思いきり遊ぶことも、夫・俊介さんが長年続けてきたドラムの練習をすることも難しい。夕子さんが思い描いていた、「のびのびとした、楽しい暮らし」とは程遠い生活だった。

夕子さんは思い悩む。
都会に近い便利なマンションで、老後も安心の生活を送るか。
それとも、少し冒険をして、家族が少しでも楽しく暮らせる住まいへ移り住むか…。

悩んだ末、家族で選んだのは後者だった。

3年にわたる土地探し。紀の川市を選んだ決め手は、福祉支援の手厚さ。

こうして、理想の暮らしを叶えるための住まい探しが始まった。

「ずっと夢だったお店も開けるような場所がいいね!」と、家族の暮らしやすさ、起業という夢、どちらも叶えられる場所を探す。子どもたちがまだ幼い年齢だったこともあり、地域選びには特に慎重になった。
理想の土地を探し続けて3年。やっと辿り着いたのがここ、紀の川市だった。

きっかけは、和歌山県が主催する移住相談会。和歌山のさまざまな市町村の職員と一対一で話すことができるため、市の制度についても、納得するまで聞くことができたという。

紀の川市に決めた理由について、夕子さんは次のように話してくれた。「なんといっても、福祉への支援が手厚いことです。それに、住宅を購入するときの奨励金や、心強い起業支援があることも知り、迷わず『ここだ!』となりました。相談ブースで市役所の方が親身に対応してくれたのも大きかったです。帰り際に、みかんまでいただいちゃったしね(笑)。」

実際に移住するとなると、手続きや相談などで、その地域の職員とは長く関わっていくことになる。移住を考える際は、魅力的な制度や土地についてだけではなく、「市の職員との相性」を判断材料に加えてみるのもよいかもしれない。

人のあたたかさに触れて芽生えた、「紀の川市へ恩返しがしたい」という気持ち。

「移住して一番嬉しかったのは、子どもたちの笑顔が増えたことなんです。」と、夕子さんは話す。少人数制の教育や、地域ぐるみで子育てをするような環境が、森谷さんご一家には合っていたようだ。子どもたちは以前よりも積極的に周囲と関わるようになり、今では「帰りが遅い!」と心配するほどに。どこへ訪れても「よう来てくれたねぇ」とやさしく出迎えてくれる雰囲気に、心を救われたという。
こうしたあたたかさに触れ、もともと「お店を開きたい」と考えていたご夫婦の夢は、「紀の川市のためになるような場所をつくりたい」という想いへと変化していく。

「どんなときでも、手を広げて待っていてくれるようなあたたかいコミュニティを、紀の川市につくれたら…。」

そこで夕子さんが思い出したのは、犬の散歩中に出会った近所の子どもたちの姿と、駄菓子屋さんに入り浸っていた幼少期の思い出。
お小遣いがなくても、用事がなくても、なんとなく駄菓子屋さんに集まって、友達とのおしゃべりを楽しむ。そんな、子どもたちが安心して集まれる遊び場をつくろうと、夕子さんは決心した。

周りの方々に支えられ。ラッキーセブンの日にお店を開店!

さっそく、近所の子どもたちにそのことを伝えると、「行きたい、行きたい!」と大はしゃぎ。この姿をみて、「絶対に開店するぞ」とやる気がみなぎったのだそう。

駄菓子屋開店のため、まずは期限を設けることに。縁起の良い令和7年7月7日に開店日を決め、森谷さんご夫婦は、怒涛の開店準備を始めた。「そのときの記憶がほとんどないんです(笑)。」と夕子さんは当時を振り返る。起業に必要な書類の作成はもちろん、住宅の一階部分をお店として利用するためのDIYにも奔走した。起業もDIYも初挑戦だった森谷さんご夫婦には、慣れない作業が続く。しかし、ご近所さんが何度も様子を見に来てくれたり、ときには修理道具を貸してくれたりと、ここでも、地域の人々の存在が大きな励みになったそうだ。

そして、いよいよ迎えた開店日。「カメレオン笑店」には、多くの人々がかけつけた。汗だくで走ってきてくれた子どもたち、畑で育てているお花を持ってきてくれたご近所さん、「紀の川、盛り上げてくれや。」とひとこと残して去っていってくれたおじいちゃん…。
「子どもたちの笑顔や、紀の川市の方々のあたたかい応援にどうしても応えたくて。準備期間は本当に忙しかったけれど、無事開店できて良かったです。」と、夕子さんは笑顔で語った。

2026年7月7日。カメレオン笑店は1周年を迎えた。

今現在、このお店は、子どもたちの遊び場としての役割だけでなく「第3の居場所」としても機能している。ここへやってくる子どもたちは、楽しく遊びたい子だけでなく、悲しかったこと、つらかったことを誰かに話したくて来ている子もいるようだ。

そんな様子を見て、夕子さんは「カメレオン笑店が、さまざまな事情をもつ子どもたちの居場所になれたら」と、今後のお店のあり方について語ってくれた。

「カメレオン笑店」店内の壁一面には、子どもたちが描いてくれた絵がズラリ。「カメレオン笑店」は今や子どもたちにとって、お菓子を買う場所にとどまらない、安心して過ごせる大切な居場所となっている。

森谷さんが利用した紀の川市の支援制度

障害福祉サービス
若者定住促進住宅取得奨励金
紀の川市創業支援事業について

カメレオン笑店

【住所】和歌山県紀の川市北大井45−2
【営業日】不定休
【営業時間】15:00~ 17:00        
【Googleマップ】
https://maps.app.goo.gl/f9xFRsRac9iPGZ6b7
【Instagram】
https://www.instagram.com/chameleonshouten/

教えて!センパイ!

きうぷる

紀の川市を一言で表すとなにぷる?

夕子さん

「夢を叶えられる場所」です!
ずーっと、楽しいことを考えて生きていけたらいいな。

きうぷる

Q.2 紀の川市へ移住を考えている人へのアドバイスはなにぷる?

俊介さん

浄化槽まわりのことは、私たち含め、移住者のみなさんが苦労されていることの一つかもしれません。設置には助成金が出る場合もあるので、市役所の方々にお聞きしながら、理解を深めていくと良いと思います。

取材:2026年7月20日

Inteview Movie

移住フロー

地方への移住検討・土地探し

騒音を気にしながらのマンション暮らしに参ってしまった森谷さんご一家。家族がのびのび暮らせる地方への移住を意識し始める。最初は大阪府で土地を探すものの、良い土地がなかなか見つからない。そのため、和歌山県にも範囲を広げ探し始める。

移住相談会に参加し、各自治体の支援制度を比較

タイミングよく和歌山県の移住相談会が開かれていたため、夫婦で参加。たくさんの市町村があるなかで、福祉への支援が手厚く、住宅取得奨励金、起業支援もあったことから、紀の川市への移住を決めた。

地域のコミュニティに積極的に関わる

わからないことは市役所へすぐに相談。地域への理解を少しずつ深めていき、ご近所さんとも積極的にコミュニケーションをとった。さらに、移住者コミュニティ「紀の川移住の会」にも参加し、移住者同士での横のつながりも築いていった。

店舗付き中古住宅のリノベーション

壁も床も改修が必要な住宅だったため、夫婦二人でDIYに初挑戦。ご近所の方々の手も借りながら、住宅の修復、店舗の改装作業を進めていった。